Apple Vision Pro。エンターテイメントにもっと振って欲しかった。
Apple Vision Proの発表を見ての感想。面白そう。だが高い。
2023年6月のWWDC23というイベントで、新しいAppleのデバイス「Apple Vision Pro」が発表されました。
空間コンピューティングデバイスという触れ込みで、価格は3499ドル。 日本円にすると50万円程度。
発売はまずアメリカが2023年内。 日本については明確に言及はなく、2024年末までにはと言われている模様。
この製品に関する感想などは、テック系ニュースサイトやガジェット系Youtuberがこぞって感想などを紹介しているので、製品詳細については特に触れなくてもいいかなーと思ってます。
イチApple製品好きのおじさんの感想と予測を書いておいて、将来的に答え合わせでも出来ればいいな、くらいの気持ちで書いておこうと思います。
本当にただの感想。
Apple Vision Proの製品名。Vision Proではなく、Apple Visionと見るべきか?
製品名は「Apple Vision Pro」。
真っ先に思ったこととしては、なぜ「Pro」をつける必要があったのか、ということ。
Apple Visionでいいじゃん、という。
ただ、これは多分Appleの思惑が隠れていて、現状この製品がすごく高額な製品である、ということをもちろんAppleは認識しているし、一般に受け入れられるような価格ではないことを重々承知しているんだと思う。
なので、あえて「これはProスペックのものであって、一般向けではないよ。」ということを公言しているようにも感じる。
おそらく、最初はガジェット好きのアーリーアダプター的な人がこぞって購入し、レビューなどをやりまくるでしょう。
そしてそれなりの高評価を連発して、「Apple Vision Pro良さそうやん!」という認知を広げた上で、、そこでしばらくしてから、廉価版のApple Vision Proを発売し、一気に一般層への普及も狙ってくるんだと思う。
その時は「Apple Vision Pro」ではなく、「Apple Vision」もしくは、「Apple Vision Air」とか、Macbookのラインナップ名称に近いもので出してくるのではないかなと想像。
Apple Vision Proの普及の鍵は、体験価値の訴求を十分できるかどうか。
Apple Vision Proの普及を妨げそうな気になる要素は価格だけというわけでもない。 そもそもAppleはApple Vision Proの用途をどう考えているのか?
発表会で提示されたシーンとしては、パソコンを使った仕事風景や、ベッドルームでの映像鑑賞体験のようなものがあったと思う。
これを着用して外出する、というのはさすがになさそう。
コンサート、映画、海外旅行、ライドアトラクション、シミュレーター、ゲーム的な用途で使えるかどうか。
家での利用で最も考えられるのは、やはりエンターテイメント体験だと思う。
個人的にはお手軽映像体験にこれは向かない気がする。
頭に着用するっていうのはとにかくめんどくさい。メガネもかけたくない自分としては特に。。。
そういうお手軽な体験ではなくどっぷり大変に浸りたい時には良さそうではある。
- ハイスペック映画
- コンサート
- ファンミーティング
- フェス
- 展示会
例えばそういうものに、チケット取得戦争をすることもなく、現地に行かずに、現地で体験できることに近い体験が出来るとしたら・・・それは楽しそうではある。
・・となるとソフトが重要になるわけだが、そこの言及は発表ではあまりされていなかったと思う。そこは今後の発表に期待だけど、逆にそこのソフト面が充実しないのだとすると、この製品の価値はガタ落ちするのでは、、という懸念でもある。
顔に何かを装着するのは不快。装着の手間、メガネ。蒸れ。
個人的には、若干以前にあった3Dテレビ時の3Dメガネつけてテレビなんか見れるか! って問題に再び直面するんじゃないかって懸念もあったりする。
とにかく、頭や顔に何かくっつけるのって結構なストレスだと思うのですよ。 自分は視力悪いけど、それでもメガネつけたくない派なので。
Apple Vision Proの重さは450gほどらしいが、、それなりに重いよね。。 ずっとつけていられる重さなのかというと、ちょっと厳しいかなぁ。
重さもそうだし、装着の手間もある。 メガネの人は、メガネをつけたままこれを装着するのは難しいようで、この製品に別でメガネの度にあわせたレンズを差し込む必要があるらしい。それで金額プラスいくらになるのよ、ってのも気になるし、、本体と顔が密着する場所もあると思うので、その時に汗とか蒸れとかがどうなのか。
頭部後方のホールド感ありそうな素材とか、気を使っていただいているのは感じるものの、顔に何かを装着するという不快さを、Apple Vision Proで得られる体験が上回るのかどうか。
そこに一抹の不安があることは確か。
値段どこまで下げられるか。
値段については、先に言及の通り。 一般人には到底手の出せる金額ではない。
そもそも一般層に受け入れられる価格がどのあたりか、、ということもあるが、Playstation VR2が 70,000円程度、Meta Quest3 が75,000円程度であることを考えると、、どうなんでしょうか。。Appleの製品価格は比較的高額だし、そもそもApple Vision Proには高性能なCPUであるM2と空間コンピューティングの処理にR1という別のチップなども搭載してたり、カメラの数もそれなりに多そうだし、、20万を切るくらいが現実的なところなのかなと想像。
そうだとした時に、この金額で普及するかどうか、、流石に怪しいと言わざるをえない。
相当の必要性に駆られない限り、レイトマジョリティに浸透していくってことはなさそう。 そうなると、一部のお金持ちにしか行き渡らないということになってしまって普及には程遠い状態にはなってしまう。とりあえずお金持ちの道楽的なポジションに落ち着きそうな印象ではある。
そもそもAppleがこれをどのくらいの数売りたいのか、どこの層まで浸透させていきたいと考えているのか、ってことはあるけども。
パソコンの代替には多分ならない。
あと、紹介映像では、これをパソコンがわりに使って仕事をしているように見受けられるシーンもそれなりにあったけど、正直指と視線と声は情報入力の手法としては正確性に欠ける。
世界全員にもれなくこれが普及する未来があるのであれば、用途も広がりそうな気はするが、自分は持ってても、仕事をしている顧客や、同僚がこれを必ず持てるとも限らない。
なので、パソコン仕事であれば、他の人に合わせないといけない状況はどうしても発生してしまう。既存の環境も含めて考えないといけないことが普及の妨げになる可能性も十分あるのではないか。
不安要素は多いが、期待もある。
ごにょごにょ言ってますが、面白そうな製品であることは間違いないです。 体験してもいない自分が不安要素をいくらいったところで、実際に体験してみたら全く違った、ということもぜんぜんあり得るわけで。
個人的には、前述したハイスペックな映像体験だったり、これまで現地に行かないと体験できなかったフェスやコンサート、あと例えば、世界の都市の上空を自由に飛び回れるような体験とかが出来るとめちゃ楽しそう、って思ったりしてます。
なので、ハードとしての期待感は感じつつも、ソフト面がどうなるか次第のところもあると思うので、いずれにせよそこに期待ですね。
単なる今のパソコンという仕事のツールの置き換えを目指すということではなく、全く新しい感動をこれで体験として味わえるといいなーって思ったりします。