デザイン趣意書は「設計者」が書くべし。
たぐと申します。
東京のweb制作会社でプロデューサーをしています。
今回は、デザイン趣意書について思うことがあるので書いてみます。
まとまった内容でもないので、戯言的な感じで流し読みしていただけるとありがたいです。
【結論】デザイン趣意書は設計者が書くべき。
コンペや、デザイン初稿時に提出するデザイン趣意書。
デザイン趣意書とは、一般的には、提示するwebサイトのページデザイン、ポスターのグラフィック等、視覚的な情報についての説明資料と言われています。
で、それを誰が書くべきか。
普通に考えれば、その絵づくりをした人という捉え方をされると思います。
しかし、本質的には、
デザイン趣意は「設計者」が書くべき。
です。
これがお伝えしたい結論です。
「意匠」を説明しても響かない。
要は、印象や装飾にあたる「意匠」の趣意を伝えても、クライアントには響きませんよ、ってことです。
なぜならそれは文字通り、見た目の印象にしかならないから。
印象であるということは、視覚的に見た情報がすべてであり、それは見た人が即座に判断出来るものなんです。
つまり、「フォントや色についての説明って不要じゃない?」
っていうのが自分の考え。
ブランドイメージを大きく転換させるとか、明らかに古臭い印象を一新させるとか「印象」を変えることそのものが目的である場合はその限りではないです。
本来の趣意は設計意図
では、設計の趣意とは?
次のような情報を伝えてこそ趣意と言えると思うのです。
例えばトップページのデザイン趣意を説明するとなら、、、
- 社名検索して訪問したユーザーにまず訴えたいメッセージ。
- 定義したカスタマージャーニーとの関連。
- 優先度についての考え方、それを踏まえたコンテンツ配置。
- 使い勝手を改善するUI機能。
- 直接コンバージョンしたい方向けの導線。
- グローバルナビ項目の取捨選択と並び順の理由。
- 新規ユーザー、リピーターそれぞれを想定した導線配置。
- 想定ユーザー像ごとの想定導線。
- 重大ニュースや緊急時のページの状態遷移。
- 容易に更新できるところとそうでないところ、そうなっている意図。
- 更新性の担保。
こういう「考え」「課題に対する答え」。
それが必要だと思うのですが、デザインの説明でそうなっていないことが本当に多いです。
何を変えるのか?そのために何を考えたのかを伝える。
趣意とは何か?
「何かをする時の考え・意見・目的」とある。
そう、考えや意見なんですよね。
多くのデザイン趣意は、
「印象はこの辺にポジショニングしましょう」
「キーカラーはこのへん、サブカラーはこの辺」
「フォントはこの辺を使いましょう」
という話が多い。
多分それだと、考え、意見に昇華しきれていない。
デザイン趣意は、与えたい印象の願望ではない。
まぁ、つまり何が言いたいかというと、
- そのデザインで何が変わるのか?
- そのデザインで何を解決出来るのか?
ということ。
デザイナーが本質的な「設計」も含めて担当したのであれば、デザイナーが趣意を書くべき。
そうではなく、ディレクターやインフォメーションアーキテクト的な人が「設計」をしたのならその人が書くべき。
デザイン趣意は、デザインという言葉が本質的に意味する「設計」をした人が書いた方がクライアントには響きますよって話。
以上でーす。