Google アナリティクス4(GA4)とユニバーサルアナリティクス(UA)の違いまとめ【シンプルな探索レポートも作ってみる】
たぐ(https://twitter.com/tagtaz74)と申します。東京のWeb制作会社でプロデューサーをしています。
Googleアナリティクスのバージョン(プロパティ)であるユニバーサルアナリティクス(以下UA)が2023年7月からデータ取得が出来なくなり、Googleアナリティクス4(以下GA4)に切り替わることがGoogleから正式に発表されました。
それにあたり、各マーケティング会社や企業のwebサイト担当者などは慌てていると思います。私もその一人ですが、情報調査などをする中で、UAとGA4の違い、レポートの違いなどについて分かってきたことがあるのでまとめます。
ただ、現状GA4もアップデートを繰り返している状態で、今日の状態が明日どうなっているかは分かりません。
GA4がUAと違うポイント11個
1. GA4ではレポート画面が全く別モノになりました。
選択できる大項目が、以下の5つになりました。
- ホーム
- レポート
- 探索
- 広告
- 設定
UAに比べると見られる情報が少なくなってような印象を受けます。ただ、実際は情報をドリルダウンするような形になっているのと、必要なレポートは自分で作る形になっており、出来ることが少なくなった、ということではなさそうです。
2. GA4ではすべてが「イベント」として計測されるようになりました。(PVも)
これまでUAでは、ページビューやクリック、スクロールといったものはそれぞれ別のアクションとしてカウントされていましたが、GA4では、それらはすべて「イベント」という単位で括られることになりました。そのイベントを分解すると、以下のような項目に分かれます。
- ページビュー(page_view)
- セッション開始(session_start)
- 初回訪問(first_visit)
- ユーザーエンゲージメント(user_engagement)※エンゲージメントは後述
- スクロール(scroll)
- クリック(click)
- ファイルダウンロード(file_download)
- 検索結果表示(view_search_results)
また、イベントは「カスタムイベント」として自由に作ることも出来るようです。
3. GA4では違うデバイスでのアクセスでも同一ユーザーと識別されるようになりました。
PCやスマホやタブレットなど違うデバイスでのアクセスしても同一ユーザーと識別されるようになりました。ただ、Googleアカウントにログインしていることが条件になります。(Googleシグナルと呼ばれています) このことで、サイト閲覧におけるデバイスの重複を見ることができるようになっています。 例えばPCとタブレット両方でみているユーザーが何%いるか、というようなことですね。
4. GA4では集計前の生ログデータ的なものをダウンロードすることができるようになりました。
「BigQuery」という機能の設定が必要になりますが、いわゆる生ログデータのようやら加工前のデータを活用できるようになりました。
それを使うことでより高度なデータ分析が可能になったようです。アクセスの膨大なECサイトなどで威力を発揮するかもしれませんね。 分析「レポートをGoogleアナリティクス上で作るのではなく、元データを提供するので、自由に解析しちゃってください。」というようなものと思われます。
5. GA4ではGoogleオプティマイズ(ABテスト)連携が強化されました。
特定のユーザー(オーディエンス)に対してABテストを実施することが出来るようになりました。
例えば、「一度サイトに訪問している人に対して」とか「特定のページを閲覧しているユーザーに対して」とか「女性のみに対して」とか。
より目的に合致したテストができるようになったと言えそうです。
このあたり既存のGoogleサービスとの連携が強化されているということだと思います。
6. GA4ではコンバージョンの効果測定のデフォルト設定が変わりました。
広告とか検索とか複数の貢献要素があった場合、それをコンバージョン数という形で計測することがUAでは出来ていました。
もちろんGA4でも同様のことが可能です。
前バージョンのUAでは、購入ボタンや問い合わせボタン等の「ラストクリック」がデフォルト設定になっていましたが、GA4では、新たな属性が追加されました。
それが「クロスチャンネル データドリブン」と呼ばれるもので、ざっくり言うと、「Googleが機械学習を使っていい感じにやっておく。」という意味になります。
GA4では、これがデフォルト設定になりました。
7. GA4では「エンゲージメント」というデータタイプが追加されました。
エンゲージメントという新たなデータタイプが追加になりました。
エンゲージメントが何かというと、「関係を持った」といった意味のものになります。 訪問して一瞬して離脱したのではなく、何らかの興味を持って、webサイトを見てくれたり、アクションしてくれたかどうか、を計測する指標になります。
「エンゲージメント」したセッションがどうかの定義はデフォルトで以下のようになっているようです。
- 10秒以上滞在(10〜60秒の間で設定可能)
- 2個以上のイベント(2ページ見た等)
- CVイベント発生
ちなみに、どのエンゲージをしたかどうかは通常レポートでは分かりません。
8. GA4では直帰率という指標が削除されました。
UAで存在していた直帰率は無くなりました。これは単に、1ページ見て離脱したからといって、興味がなかったとは言いにくいですし、1ページで目的を達成して満足して離脱した可能性もあるわけです。なので前述のエンゲージメントを計算しにくく誤解を招きやすい数値だからではないかと思われます。
9. GA4ではセッションのカウント方法が変わりました。
一度サイト外に出て再訪して1セッションとしてカウントされるようになりました。
なので、GA4になるとセッション数が減って見えがちなので注意が必要です。
ちなみに、2つのページを見た間隔が30分以上開くと別セッションとして判断されることはUAと一緒です。この30分という時間は変更可能です。
あと、変更点として、日をまたいでも別セッションにならなくなった、ということも加えておきます。
10. GA4ではコンバージョンのカウント方法が変わりました。
1訪問で複数回目標を達成したら、その回数分カウントされるようになりました。
なので、GA4でははCV数、CV率が多く見えやすくなったということでもあるので単純にUAとGA4は比較しない方が良いですね。
11. GA4ではデータ集計されるまで時間が掛かる。
UAでもGA4でも「リアルタイム」という項目があります。
そして、旧バージョンのUAではデータ集計もほぼリアルタイムで計測されていました。
一方新バージョンのGA4ではリアルタイムの項目に表示されるものはほぼリアルタイムだと思うもののお、「集計レポート」にデータが表示されるまでには、プラス数時間掛かるように思います。
GA4でシンプルな分析レポートを作ってみる。
GA4 では「レポート」という項目がありますが、UAと項目がリンクしているわけではないので、「あれ?あの項目どこ行った?」ということが起こります。
なので、見られる項目が減ったように感じられる方は多いのではないのでしょうか。
減っているのではなく、自分で必要なレポートを作る必要がある、ということです。
「作る必要がある」というとネガティブに聞こえるかもしれませんが、自由にレポートを作ることが出来る、とポジティブに捉えるべきものかもしれません。
なのでここは以前のUAよりも設定等、難易度があがったところでしょうね。
GA4における探索レポートの作り方
探索レポートは、「セグメント」、「ディメンジョン」、「指標」を組み合わせて作るもののようです。私は大まかに以下のように理解をしています。
- セグメント:大きいレベルのフィルター
- ディメンジョン:項目名(行)
- 指標:項目別に見たい値(列)
セグメント、ディメンジョン、指標の項目は、それぞれの右にある「+」ボタンから選べるものを追加可能です。
単純にPVの一覧を複数の指標でみたい場合は、
- セグメント:なし
- ディメンジョン:ページタイトル
- 指標:表示回数、利用ユーザー、閲覧開始数、離脱数
といった項目で探索レポートを作ってあげればGA4で見ていたようなものと似たレポートを作成することができます。
ただ、指標などは数多くあり、ECサイト用のものや、意味がよく分からないものも数多くありますので、ここは勉強が必要そうです。
まとめ
今回は、ユニバーサルアナリティクス(UA)とGoogleアナリティクス4(GA4)の違いについてまとめてみました。
正直私もまだ分からないことだらけです。
UAとGA4で言葉が同じでも実際は意味に違いが出てきているものもありますし、これまで見れていた指標がGA4でどのように探索レポートを作ったら見られるようになるのかイマイチ分からないことも多いです。
このあたりはGoogleもアップデートを重ねていくところでしょうし、試しつつ、学びつつ、ということを継続していければと思っています。ではでは。