Googleアナリティクスの分析設計の要件定義。事前に確認しておくべきこと。【Webディレクター向け】
分析ツールの9割はGoogleアナリティクス。
すでに多くのWebサイトでは、Googleアナリティクスのアクセスログ分析設定がされています。感覚的には9割くらい以上はそうなっています。
Webサイトをリニューアルするとなったとき、Webディレクターは、Googleアナリティクスの設定についてどのようなことを気にしておくべきでしょうか。
私がWebプロデューサーとして多のWebサイトと関わる中でここは押さえておいた方がよさそう、ということをピックアップしておきます。
細かい設定のやり方ではなく、要件として認識しておくべきポイントになります。
1. 管理権限提供有無
Googleアナリティクスの管理権限を付与いただけるかが最初の確認ポイントになります。
- 設定用のアカウントは提供されるのか。
- 設定を引き継ぐのか新規に作るのか。
設定権限をもらえないというケースもありますからね。
WebサイトのHTMLコードでリンクするURLにパラメータを付与すれば管理画面にログインできずとも、カスタムの計測設定はできるのですが、設定が正しく反映されてるかの検証などを考えると管理画面へのアクセス権限はもらっておくべきでしょうね。
2. 設定方法(HTMLコードにベタ打ち、タグマネージャ)
Googleアナリティクスの設定は、最近はGoogleタグマネージャというタグ管理のツールを使って設定することがほとんどです。ただこのGoogleタグマネージャはGoogleアナリティクスの機能の一部分ではなく、独立したツールです。
昔ながらの、HTMLコードにGoogleアナリティクスのタグをベタ打ちすることを求められることもあります。タグマネージャを使うとなっても作業量的には大したものではないですが、要件としては押さえておくことをお勧めします。
あと、計測タグは、Webサイトの全ページに埋め込まれるものなので、
- 共通ファイル化されたSSIのヘッダーのコードに埋め込む
- CMSのテンプレートに埋め込む
等、何らか共通化しておくことをお勧めします。
場合によってはSSIが使えないサーバというものもあります。
そんなときは全ページに計測タグを埋め込むことになるので運用的に良いとは言えないですね。
3. 広告タグ等の有無
タグマネージャでGoogleアナリティクスの計測タグを設定するとなった場合、ネット広告のタグもタグマネージャに追加設定したいという要望が出てくることがあります。
広告タグはタグマネージャとは切り離して別で設定することも可能ですが、タグマネージャで一元管理しておいた方が運用上は分かりやすくなると思います。
4. イベント計測(クリック計測や動画計測 など)有無
Googleアナリティクスの計測タグを埋め込んだだけでは、計測できることに限界があります。
例えば
- クリック計測(外部サイトへのリンク、ファイルダウンロード)
- Youtube動画視聴(Webページ内での再生)
あたりですね。
ここは、細かく設定しようと思えばどこまでも細かく設定できてしまうところなので、「するのか」「しないのか」「するとしたらどこまで設定するのか」決めておくべきです。
一番多いのは、「ここのボタンを押された数を知りたい」というケースですね。
5. アクセス除外設定有無
これは、、、要件というより、やっておくべきことだとは思います。
一番あるのは、
- Webサイトのオーナー会社の社内からのアクセスを除外する。
- Web制作会社からのアクセスを除外する。
ですね。自社社員がどの程度、自社のWebサイトにアクセスしているかは情報として不要と考える会社がほとんどです。設定のためには、除外する会社のグローバルIPアドレスをGoogleアナリティクスの管理画面でフィルタ設定してあげる必要があります。
6. アカウント管理有無
Googleアナリティクスのアカウント管理そのものも対応するかどうか、です。
Webサイトオーナーによっては、社内ではアクセスログを見ないので、アカウントはWeb制作会社側で作って欲しい、ということを言われるケースもあります。
その場合も、リニューアルの際だけの一時的な対応なのか、Webサイト公開後もアカウントの追加、削除含めて管理するのかは確認しておいた方がいいです。
公開後、「この人を管理者に追加して欲しい」「この人が退職したので削除して欲しい」
という管理を都度都度Web制作会社で担当するのは難儀です。
対応することは問題ないのですが、保守の一環として対価は請求すべきと思います。
7. Googleデータポータル/サーチコンソール設定有無
Googleアナリティクスの設定を行う際に、追加設定をすることが多いツールの
GoogleデータポータルとGoogleサーチコンソール。
Googleデータポータルは、計測するWebサイトに特化した独自レポートを作る機能。
Googleサーチコンソールは、どういうキーワードで検索したユーザーがWebサイトに訪問したのかを確認できるツール。特にサーチコンソールは、ユーザーニーズを把握するためにとても有効なツールなので、ぜひあわせて設定提案することをお勧めします。
設定といっても、Googleアナリティクスのアカウントと紐付け設定をするくらいのものです。
すごく簡単にできるのになぜか設定していない企業って多いのですよね。もったいない。
まとめ
今回はGoogleアナリティクスの設定について、プロジェクトの初期段階でWebディレクターの方が押さえておいた方が良さそうなポイントをまとめました。
Webディレクターの方はやることが多く、このような分析設定にまで手が回らず、マーケターの方にお任せしがちだと思います。ただ、細かい設定について理解する必要はなくとも、今回紹介したことあたりを押さえておくと後々問題にもなりにくいと思います。参考ください。