カスタマージャーニー定義のために。ユーザーインタビュー項目案。
たぐと申します。
東京のweb制作会社でプロデューサーをしています。
今回は、webサイトの企画設計を行う際のカスタマージャーニーを作ることがありますが、今回は、そのためのユーザーインタビューについて考えてみようと思います。
ユーザーインタビューというのは、webサイトを実際に使うであろうユーザーに対して行うものです。
ユーザーインタビューで何を聞くかというと、webサイトで紹介しているサービスや商品についてどのように接触したか、ということについてです。
- 商品やサービスを知ったきっかけ
- どうやってwebサイトに訪問したか
- どのようにサイトを回遊したか
- どのように他社と比較したか
- 最終的に購入や契約に至った決め手はなんでしたか
などを直接聞くことで、ユーザーの感情を理解し、設計や改善に活かします。
ユーザーインタビュー項目案
一応下記のような前提でイメージしてみます。
- webサイトリニューアルのためのユーザー動向把握を目的としたもの
- BtoBのサービスを探す企業担当者がターゲット
- 提供するサービスは、BtoB向け月額利用サービスといったものを想定
例)ドメイン、サーバ、MAツールなど
質問内容は、プロジェクトの内容次第で変わると思いますのであくまで案です。
1. 「勉強」の段階
- そのサービスを最初に知った方法は何でしたか?
- 今回新規の契約ですか?それとも以前にお使いになったことがありますか?
- そのサービスに類似したものをこれまでにお使いでしたか?それは何ですか?
- そのサービスが必要になった経緯は何でしたか?
- そのサービスを最初に調べた方法は何でしたか?
- webサイトではどのような検索ワードを使いましたか?
- オフラインでの調査はしましたか?(添付に行ってみる)
- 資料請求はしましたか?それはどのタイミングでしたか?
- お問い合わせはしましたか?それはどのタイミングでしたか?
- SNSは利用しましたか?何を調べましたか?
- 比較候補はどのようにピックアップしましたか?
2. 「候補を出す」段階
- どのように比較しましたか?
- 比較したポイントは何でしたか?
- 検討中どのようなポイントで悩みましたか?
- 検討段階で新たな気づきがあったとしたらそれはどんなことですか?
- webサイトのどこを重点的に見ていましたか?
- webサイトを見て特に記憶に残っていることがあれば教えてください。
- webサイト以外で調査をした方法はありますか?(協力会社に聞いたとか)
- 検討期間はどの程度でしたか?
- 検討段階が進むにつれて検討の方法に変化はありましたか?
- 購入後のことについてどの程度調べましたか?それは、どのような点についてですか?
3. 「高所を絞り込んで選定する」段階
- 決定の決め手はなんでしたか?
- 実際、購入や契約はどこでどのように行いましたか?
- 購入や契約時に困ったこと、やりにくさを感じるところはありましたか?
- 購入、契約後、その対象物について、他者に伝えましたか?それは、誰に対し、どのように行われましたか
4. 「契約後」の段階
- サービスを利用してみて満足度はいかがですか?
- 使いにくさやサポートして欲しい箇所はありますか?
- こんな機能があると良いのに、と思ったことはありますか?もしあれば具体的に教えてください。
- サービス利用について社内への共有はどのようにされていますか?
- サービスの継続更新の方法や手順は理解されていますか?
ユーザーインタビューなしのカスタマージャーニーマップに正当性は無い。
web制作会社はこの「ユーザーインタビュー」のステップを飛ばしてしまいがちです。
本質的な戦略策定、成果を出すためには、実際のユーザーの声を聞き、気づいていなかった課題を把握し、カスタマージャーニーマップを描くステップを挟むべきだと思います。
それをつくるすることで、以降の制作ステップにおける検証に活かせます。
もちろん、クライアント予算の関係でそこまで出来ないということがあるのは確かです。
だとしても社内のユーザーになりそうな数人に簡単なインタビューを
してみるくらいはできるはずです。
そういうユーザー視点を模索する動きや考えを、Webサイトの設計者は持っておきたいですね。
先に挙げたヒアリング項目そのものはヒューリスティックなものです。
そして、ユーザーがサービスを認知してからコンバージョンするまでにどういう行動や感情の遷移があったかを図るために考えられる項目を挙げられるだけ挙げてみたつもりです。
今回の記事は、WACUL垣内勇威さんの著書
「デジタルマーケティングの定石」という本の内容を参考にさせていただいています。一部内容の引用をさせていただいています。
ユーザーインタビューの内容をカスタマージャーニーマップに落とす。
ユーザーインタビューができたら、それをカスタマージャーニーマップに落とすトライをしましょう。
カスタマージャーニーマップを作る目的は、ユーザーの感情や状況、課題意識を理解し、その解決の糸口を見つけることです。カスタマージャーニーマップでは以下のような項目を定義します。
1. ゴール
ここで言うゴールは、webサイトを使うユーザーにとってのゴールです。
何をしたいのか。何を完遂できれば、そのユーザーは目的を達成できるのか。ということです。
目的
ターゲットユーザーが果たしたい目的のことです。
KPI
その目的達成度はどこをみることで計測できるか、という指標です。
目標
そのKPIについての目標数値です。
明確に計測できるもの、評価できるものを設定すべきです。
2. ユーザー
サービスと顧客の接点を整理します。
状態
ユーザーが置かれている状況を整理します。
- 置かれている状況
- 持っている情報
- 求めている情報
理想の顧客接点フロー
ユーザーの行動フローです。図解できるのが理想。
- 広告やSNS、ブログ、メルマガ等の接点
- 検索や訪問等のアクション
- 公式サイトなどオフィシャルな情報
- 営業担当者への質問
- お試し利用、商談
などのユーザーの行動遷移、情報への接点を定義します。
3. アクション
ここはユーザー側ではなく、サービス提供をする企業側のアクションです。
取るべきアクションの優先度と合わせて考えられると良さそうです。
- 何を改善すべきか?
- 何をユーザー提供すべきか?
- どのような行動を起こすべきか?
Web会議の一般化でユーザーインタビューはやりやすい状況になっている。
ユーザーインタビューは、Web会議が一般化してきたことで、容易に出来る環境になったと思います。
モニタ集めについて、マーケティング会社に依頼する必要があるかもしれませんが、インタビューの設定はweb制作会社でもできそうです。
そして簡易なものなら、ターゲットユーザーにマッチしそうな人を5人程度自社内から募り、実際その体験を語ってもらうのも良いです。
webサイトの利用イメージを知るために、ZOOM等の画面共有をしながら、思ったことを口にだしてもらいながら操作してもらう、というやり方も可能なはずです。(動画保存しておいて記録を残してあとで振り返るということも容易です。)
まとめ
今回はカスタマージャーニーマップを定義するためのユーザーインタビューの必要性やそのやり方について考えてみました。
繰り返しになりますが、そこをやっていない一番の理由は
「めんどくさい」「やらなくてもなんとかなってしまう」「時間とコストがかかる」と言うところだと思います。
ただ、そこはどうやるか、どこまでやるか、というところで調整可能です。
リアルなユーザーではなくても、社内で被験者を集めるとか、最悪プロジェクトメンバーのブレストの一環でも構いません。
対象となるサービスは使えるのか、自分がユーザーだったらどういう課題があるかという検証の1つとして、複数人でやってみることは意義があるのではと思います。
自分もwebプロデューサーとして十分対応できていないところでもあるので意識的に取り組むようにします。