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会議アジェンダの作り方(1):議事録と次の会議のアジェンダはセットにすると効率的。

2020年11月08日 2021年08月24日

たぐと申します。
web制作会社でプロデューサーをしています。
プロデューサーを8年、その前にwebディレクターを7年ほどやっています。
これまで数多くのwebサイトの運用・更新やリニューアルに関わってきました。
ナショナルクライアントと言われる企業も含まれます。
そんな私ですが、webサイトをリニューアルするとなったら、数多くの会議やプレゼンテーションに参加しています。

会議をクライアントと行う際には、事前に「アジェンダ」と呼ばれる、会議で話をすることの目次を作って事前に会議の参加者に共有します。

今回は、クライアントとの会議を年間200回はしているであろう私が、その会議のアジェンダの共有方法について念頭に置いていることを紹介します。

議事録と次の会議のアジェンダはセットで考えると効率的。

最初に結論です。

会議が終わったら、その日のうちに議事録と次の会議のアジェンダを共有する。

ということです。

大前提ですが、会議にアジェンダは必須です。
会議は、なんらかの課題を解決したり、プロジェクトを前に進めるために行っています。

アジェンダの無い会議は、誰もファシリテートできない会議です。

会議をするのにアジェンダは必須という前提で進めます。

その上で特にありがちな大きい問題点を挙げます。

アジェンダを会議の直前になって、まとめて送付しようとする人が多すぎるということです。

それってすごく非効率です。
なぜ非効率だと思いますか?

それは、アジェンダを送付されたクライアント側の視点で考えると分かります。

会議の直前にアジェンダが送られると、、

  • アジェンダに目を通す時間が少なすぎる
  • アジェンダに対応した準備ができない。
  • 前回の会議の議事録と次の会議のアジェンダが即座にリンクしない。

からです。

その状態で次の会議を迎えるとどうなるか?

「前回どんな話でしたっけ。」
「今日何決めるんでしたっけ。」
「え、そんな話でしたっけ。」
「そんな準備すぐにできませんよ。」

こんな話になりがちです。

これだと会議はうまく進まないですよね。

みんなが顔を見合わせて、「で、どうすんだっけ」という微妙な空気が流れます。

そしてこの状況が発生した時に、その状況を自分の責任と感じていないwebディレクターが意外と多いことに驚かされます。

「準備していないクライアントが悪い。」という結論です。

本当にそうでしょうか?

その結論は間違っていると思います。

クライアントは忙しいのです。
webサイトのリニューアルだけに関わっている訳ではありません。
他の業務もしつつ、webサイトリニューアルのプロジェクトに関わってくれています。

「クライアントにしてもらうべきこと」はもちろんありますが、そこをリードするのはweb制作会社側です。

上記問題の解決のためには、前の会議が終わったら、

  • 何が宿題として残ったか
  • 次回までに双方で何をしておくのか

そういうことを明確に双方が確実に意識することが重要になります。

そして、そのための手っ取り早い方法が

会議が終わったら、その日のうちに議事録と次の会議のアジェンダを共有する。

ということです。

会議のアジェンダは、プロジェクトスタート時のプロジェクト計画書で定義されるべき

もう1つだけ前提を書いておきます。
会議のアジェンダは、プロジェクトスタート時のプロジェクト計画書で定義されるべきです。
大きいレベルでの会議のアジェンダは、会議の度に決定されるのではありません。
プロジェクト全体のフェーズ分け、マイルストーンがあり、そのマイルストーンにあわせて、「これはここまでに決まっている必要がある」ということがあります。
なので、特に要件定義フェーズ、設計フェーズにおける、大きいレベルのアジェンダは、プロジェクト開始時に、概ね決まっているべきです。
ただ、細部を詰めるためには、そのブレイクダウンが必要になります。

その前提を踏まえて、会議のアジェンダは、前の会議が終わった日に準備して共有するやり方とそのメリットについて解説します。

会議が終わったら議事録と次の会議のアジェンダをセットで考える。

「今回の会議の議事録」と「次回の会議のアジェンダ」を分けて考える人が多いのですが、それよくないです。

1つの会議が終わったら、その中で、新たな課題や確認事項が出てくるものです。

それは、双方の記憶がホットなうちに共有しておくべきです。

そして、その会議の議事録を次の会議のアジェンダとして活用すると実は効率的です。

議事録の内容としては次のような感じです。

  1. 今回の会議の決定事項
  2. 次回の会議までの双方の宿題
  3. 次回の会議のアジェンダ

そして、この議事録+次回アジェンダは、会議が終わったその当日中に共有するのが望ましいです。

これをやらない人が多すぎます。

議事録を会議の3日後に共有するとかだと厳しいようですが遅い。

先にお話したとおり、会議が終了し、その会議の記憶がホットな内に、次のアクションを促すのです。

議事録は議事録でまた別の話ができるのですが、議事録でまとめるべきは、
発言内容の一言一句ではありません。それが必要なら録音をしておけば良いという話です。

議事録に必要なのは、まさに先ほどあげた

  1. 今回の会議の決定事項
  2. 次回の会議までの双方の宿題

です。

ポイントだけまとめるのであればさほど時間はかからないはずです。会議中にもメモはとってるはずですからね。

これをまとめて共有したら、クライアントの担当者と軽く電話等で読み合わせをしておくことをお勧めします。
「確実に伝えた」という事実があるべきだからです。

ただクライアントも忙しいのでタイミングやそれにかける時間は配慮しましょう。

アジェンダは「都度更新」で問題ない。

「議事録と次の会議のアジェンダを一緒に送ったら、その後追加次第議題が出てきたら困る。」
という声もありそうです。

それは杞憂です。問題ないです。

今は、BacklogやGoogleスプレッドシートなど「後で更新できるサービス」がいくらでもありますが、それを使わない手はないです。

これらで議事録と次の会議のアジェンダを作成し、そこで都度都度更新していけば良いのです。

議事録って皆さん何でクライアントに共有していますか?
まさかメールで送ってないですよね。

Googleスプレッドシートは、更新時に共有している人にメールで通知を送れます。

さすがに通知メールが「更新の都度」送付されると嫌がられると思うので「1日1回」という設定で十分でしょう。

Backlogの場合は、課題、もしくはWikiで共有すると思いますが、個人的には、議事録+アジェンダはWikiにまとめておくのが良いと思います。

皆で更新できる。それもメリット

アジェンダへの内容追加を、複数メンバーで行えることはメリットです。

通常アジェンダはメインのwebディレクターがまとめますが、他のメンバーの視点も取り入れた方が良いです。

各職種別の視点で書き込んでおけば、「あ、あれ議題に挙げるの忘れてた」という状況を減らせます。

皆で書き込むことで、議題の粒度、重要度がばらつく可能性もありますので、最終的にはメインのwebディレクターがチェックして調整するようにしましょう。

「議事録が都度更新できる状態だと困る」場合

「議事録が都度更新できる状態だと困る」というクライアントもいるかもしれません。後で改変できるものは記録として認めない、というようなケースですね。

しかし、それは単にやり方の話だと思います。
先ほど、議事録と次の会議のアジェンダはセットで考えるという話をしましたが、

  1. 今回の会議の決定事項
  2. 次回の会議までの双方の宿題

この部分には手を加えません。
更新がある場合は、

3.の「次回の会議のアジェンダ」

ここを更新するのです。

クライアントに、1と2について確認してもらったら、その「1と2の部分を議事録とする。」と双方が認識しておけば良いだけの話です。

それでも「後で更新できる状態なのが気になる」と食い下がられたら、1と2について確認してもらったあと、その部分だけを、PDFにするなりメールにするなりしてクライアントに送付し、保管してもらえば良いと思います。

これは記録なので、メール等更新効かないやり方の方が向いています。

要はやりようです。

まとめ

今回は会議の議事録と次の会議のアジェンダはまとめ、都度更新するようにすべき。という話をしました。

そうすることで、会議の記憶が新しいうちに、課題の準備を計画できます。また、都度更新出来ることで議題に挙げるべきことの抜け漏れが出る確率を下げられます。

やってみると確実性も高まりますし、「次はどんな議題が予定されてるっけ?」とクライアント側のプロジェクトへの向き合い方が能動的・積極的になるという効果も期待できます。

お試しください。