プロジェクトを最短で進めるには「仮説力」が必要。
私はweb制作会社でプロデューサーをしています。
webディレクターに求められるスキルは様々です。
交渉能力、プロジェクトマネジメント、企画設計・・・・
いろいろですが、それを包括するようなスキルとして、「仮説力」が必要だなと思うケースが多いです。
プロジェクトを最短で進めるには仮説力が必要。
今日は、webディレクターに限らず、プロジェクトを推進する人は「仮説力をアップしましょう」という話をします。
仮説を立てておくことで、
- 見るべきポイントが明確になる。
- 先手先手に対応ができる
- 計画的に最短手順でゴールに近づける
というメリットがあります。
同じ趣旨の内容をstand.fmで配信していますので読むのがしんどい方はこちらもどうぞ。
仮説を立てずに進めるのはただの遠回り。
仮説力とは何か?
それは、一旦「こうなんじゃないか?」という「課題や結論を想定する力」だと思ってます。
それは、当てずっぽうの希望的観測ではなく、
- データ
- 経験
- 事実
から導き出されたものです。
その前提で
- 「ここが問題なんじゃないか。」
- 「ここに着目すべきじゃないか。」
- 「ここに手を加えたらここが改善するんじゃないか。」
そういったことを一旦定義する、ということです。
仮説というのは、「正解」を定義するということではありません。
「課題解決のための着眼点」というイメージだと思います。
仮説力がない状態というのは、どういう状態でしょうか?
着眼点が無い状態で進めるのは、ゼロにひたすら1を積み上げるような行為に近しいです。暗闇でものを探すのと同じような行為です。
まずは仮説を立てる、そしてそれを検証するいうステップで進めた方が圧倒的に早い。仮説と検証はセットです。
で、その仮説が間違ってたら、そこで修正すればいいのです。
何個か例を挙げますね。
クライアントとの打ち合わせ時の例
例えばお客さんとの打ち合わせ、アジェンダやヒアリングシートを事前に作ると思うのですが、
うまくいかないディレクターは、思いついたものをただ、ひたすら書き出し、それらをそのままお客さんにぶつける、ということをやってしまいがち。
でも、仮説を立てておくと、そうはならず、
- ここはこうあるべきだと思うんだけど、こういう理解をしても良いだろうか。
- こうするためにはこことここの関係性を明らかにする必要があるから、確認しておこう。
理想や課題の着眼点を明確にするとコミュニケーションもスムーズです。
必要なのは、仮説を踏まえ明確な意図を持つってことですね。
アクセスログ分析時の例
webサイトのアクセスログを見て効果測定をするときもそうです。
アクセスログのデータだけを眺めて、そこから、課題や改善策を考えることなんて出来ないと思うのです。
例えば、データだけを見て、「なんでこの日にアクセスが増えてるんだろう」ってことを見て、「あ、その日は広告打っているからか。」ってことがわかったとしても、それで何かの改善につながるでしょうか。
答えはNoです。
そうじゃなく
- こういう施策を打ったから、その結果はきっとここのデータに反映されているはず。どうだろう。
- コロナの影響でこのページへのアクセス数に変化が起きているはずだがどうだろう。
- 今月思ったより数字が伸びていない。それは、施策に問題があったのか、昨年も同様の施策を打っているので季節要因もあるかもしれない、どうだろう。
こういった見方です。施策が当たっていれば、注目したデータに変化が現れるでしょうし、施策が当たっていなければ、変化は起きてないということになるでしょう。
施策が当たってなければ、また別の施策を考えればいいのです。少なくとも前には進んでいます。
webサイト設計時の例
webサイトの設計をする際もそうです。
- ここのページに誘導するには、ここの導線って重要じゃないか?
- こういうコンテンツを作ったら、こういうワードでの集客狙えるんじゃないか?
- こういう検索ニーズが増えているということは、きっとこういう社会的変化が影響しているはず。だったらここの訴求優先度を高めるべきでは?
こういったことも仮説です。仮説を立てることで、設計時の注力ポイントが明確になります。
順番にトップページから設計するのはNGです。
改善ポイントの不明瞭な「ただ作りました」ってサイトになってしまいます。
足し算ではなく割り算のマネジメントをすべき。
仮説を立てることは、「前提」、「ゴール」を予めて作っておく行為です。
仮説を立てずに進めるというのは、足し算のマネジメントだと思います。
ゼロにひたすら1を足していくマネジメントです。
これは、確かに数は増えていくかもしれませんが、いつまでその1を足していけばいいかゴールが見えないんです。
100かもしれないし、もしかしたら1,000かもしれない。
仮説を立てるということは、予めゴールを決めることです。
ゴールは100なら100と決めてしまうんです。
そうすると、半分の50のポイントで何をしないといけないか。
さらに半分の25のポイントで何を確認しないといけないか。
そういうことが計算できるんです。
仮に足し算のマネジメントでゴールが100だとしても、ゼロに1を加えるステップは100ステップです。
一方割り算のマネジメントで考えられたら、100を2で割り50、それを2で割り25と減っていきます。なので、割り算の方は、少ないステップでポイントを押さえた進め方が出来るのです。
それがなぜできるかと言えば、一旦「こうなんじゃないか」というゴールを定めているからです。
まとめ
仮説力はゴールに最短でたどり着くための必要能力。
「不確定要素ではあるが、根拠になりそうな情報があるので、きっとこうだろう。」
って一旦結論を出すこと。
想像でこうだといいなぁって話ではありません。
仮説ができればそれを試す。検証して、間違っていれば正せば良いのです。
仮説力がない人は、とにかくゼロから考えだしてめちゃくちゃ時間がかかる。ゴールまでの距離が遠い。
仮説を立て、最短ステップでプロジェクトを前に進めましょう。