webディレクターの採用面接。自己アピール重要です。
webディレクターの採用面接。自己アピール重要です。
私自身は、これまで、自社であるweb制作会社で、30人くらいの採用面接を担当してきました。
まだ数は多くないですが、メインの面接官を担当しています。
そこで特に感じていることをお伝えします。 それは・・・・ 多くの採用希望者は
自己アピールが圧倒的に足らない。
ということです。ちょっとではありません。
圧倒的に足りません。
面接で「あなたの価値」と「webディレクターに求められること」がマッチングするか。
ちなみに、採用一次面談の基本的な進め方は、概ね次のような感じで進めています。
- 採用会社の自社紹介
- webディレクターになりたい人の自己紹介
- 採用会社からwebディレクターになりたい人への質問
- webディレクターになりたい人から採用会社への質問
私は、この「3.」のところを担当しています。
で、問題は「2.」の「自己紹介」の部分です。
自己紹介は、採用希望者の方にフリーでお話をいただいていますが、びっくりするくらいあっさり自己紹介を終わらせる人が多いんですよね。
「もっと話を深掘りして聞いてみたい」というような話し方をされる方は、残念ながら全体の5人に1人くらいの印象です。
経歴は、履歴書を見れば分かります。その先のところ、、経験値を具体的に感じられるエピソードを「自己アピール」として聞きたい。。
もう少し具体的にいうと、次のようなポイントです。
- どういう経験をしてきたのか。
- どういう価値提供をしてきたのか。
- どういう役割を担って来たのか。
- どのくらいの量をやってきたのか。
- どのように自己実現をしてきたのか。
私の面接経験は中途採用の希望者のみなので、新卒採用だとまた違うこともあるかもしれません。
ただ、いずれにしても求められていることは「あなたがやってきたことの具体性」です。
1. どういう「経験」をしてきたか。
どういうプロジェクトに関わり、その中でどういう経験をしてきたのか。
惹きつけられる話をする人は、経験されたエピソードが生々しく、とても具体的に感じられます。
逆にそうでない人は、どこか取ってつけたような、「こんなことやってました。」で終わってしまう印象があります。
フルパワーで案件にコミットしていたら、「大変だったこと」「考えさせられたこと」「評価されたこと」「嬉しかったこと」「辛かったこと」いろいろあったと思うのです。
それが具体的であればあるほど、あなた自身がどういう方なのか、イメージが出来ます。
面接と言ってもせいぜいトータルで1時間くらいです。
その時間の中で面接官はあなたがどういう人かを見極める必要があるわけです。
なので、教科書的な話、事務的な話に終始されると、面接側も「この人のことを表面的しか理解出来ていないのでは?」と不安になるのです。
生きたエピソードというと抽象的に聞こえるかもしれませんが、要はそのプロジェクトの情景や、努力の様子をイメージさせられる話し方をして欲しいということです。
それが出来れば、面接官はあなたにかなりの好印象を持つと断言出来ます。
2. どういう「価値提供」をしてきたか。
自身の関わったプロジェクトや社内の活動でどういう成果を生み出したのか?
- PVが10%上がった。
- 売り上げアップに貢献した。
- ○○というキーワードからの集客が増えた。
施策と結果が紐づいていれば、具体的なプラスの成果になっていなくてもいいです。
web制作のプロジェクトは、多かれ少なかれ何かしらのクライアント課題を解決する活動です。
なので、企業に勤めていて、webサイトの制作や運用に関わっていたなら、課題解決のためのアクションと、結果どうなったのか、というところは、何かしら話が出来る状態にしておくと良いですね。
3. どういう「役割」を担って来たか。
web制作は、チームで臨むものです。
プロデューサー、営業、ディレクター、デザイナー、コーダー、協力会社など。
1つのプロジェクトに複数人webディレクターが立つプロジェクトもあります。
そういうチームの中で「あなたはどういう役割を担っていましたか?」ということです。
「プロジェクトの中心メンバーとしてメインディレクターを張っていた。」
「先輩ディレクターのアシスタントとして動いていた。」
このあたりはっきりしておいてもらえるとありがたいです。
※場合によっては、デザインも自分でやっていたとか、企画はプロデューサーがほとんどやっていたとか、そういうケースもあるかもしれません。
関わったプロジェクトの最終成果物だけ見せられても、あなたの価値は見えません。 ディレクターとしてどう案件にコミットしたのかは、明確にしておいて欲しいです。
4. どのくらいの「量」をやってきたか。
例えば一社に5年間在籍したとして、その間にどれくらいのクライアント数を担当したのか、どのくらいの売上を上げたのか、何サイトリニューアルしたのか、といったことです。
実績をお伺いしたとき、明らかにそれが少なければ「5年間でこれだけですかね?」となりますし、逆にそれが膨大であれば、どのように工夫してそれらを回していたのか、興味が湧きます。
そこは良い意味で深掘りをさせていただきたくなります。
5. どのように「自己実現」をしてきたか。
理想の自分に近づくためにどういうアクションを取ってきたのか、どういう努力や創意工夫をしてきたのか、そういうことをお伺いしたいです。
「自己実現のためのアクション」と「仕事としてやってきたこと」は別物です。
そこを勘違いしている人が多い気がします。
「ただ与えられた仕事をしていました。」というニュアンスに聞こえてしまうと、 あまりその人に魅力を感じないです。
「自らを高める」努力や工夫を具体的に説明できる人に魅力を感じます。
自ら考え、アクションを起こす姿勢が面接で垣間見えるかどうかかなと。
実際の社会人年数などにより、それぞれについてそんなに言えることない、ということもあると思います。それはそれで仕方ありません。
重要なのは、何を考えて、どういうアクションをしてきたかです。 そういうことを伝えて欲しいです。なのでweb制作業界に関連した話ではなくても全く構わないです。
特に若い人においては、スキルなんて本気で勉強すれば、3ヶ月もあれば習得できます。
webディレクターに求められるのは、小手先の知識ではありません。
- なんでもトライしてみるフットワークの軽さ。
- 機転を利かせる会話。
- ゴールまでの最短距離を探す力。
- 提案をストーリーとして伝えられる構成力。
結構そういったところだったりします。
CMSの機能や、JavaScriptで出来ることが何かは重要じゃないです
スキルや知識は、持っておくに越したことはないですが、それが不十分でも怖気づく必要はありません。
採用面接の時は、あなたの生きたエピソードで、可能性を感じさせて欲しいです。
ちょっと偉そうなことを書いたかもしれません。
ただ、この時代、採用側も本気で一緒に働く仲間を探すために一生懸命やっています。
そのマッチング率を高めたい。
その思いで今回の記事を書きました。
もちろん別の話として、採用側が自社の魅力と価値をきちんと伝えられるかどうかも重要です。
マッチングの場なので、関係はイーブンです。そこについても思っていることがあるのでそれはそれでまた別の機会にお話しします。