豊富なコンテンツを活かす見せ方の工夫がほしい。【東京エレクトロン コーポレートサイト】
たぐ(https://twitter.com/tagtaz74) と申します。
東京のWeb制作会社でプロデューサーをしています。
今回は東京エレクトロンという会社のwebサイトを見つつ気になったポイントなどを挙げていこうと思います。
東京エレクトロンってどんな会社?
会社情報のページを見ると「半導体およびフラットパネルディスプレイ (FPD) 製造装置メーカー」ということみたいです。webサイトを見ても、ぱっと見何の会社かわかりにくいですね〜。。
社名は明確に記載した方が良さげ。
ヘッダー部のロゴは「TEL」とあるのだけど、具体的な社名がぱっと認識できないかも、というのはやや気になりました。
一応トップページのキービジュアル部には「TOKYO ELECTRON」とありますが、下層に直接ランディングされることを考えると、「TEL」だけで十分?って気はするかなー。 今後自社ブランドと略称の方で打ち出していく、っていう方針なんですかね。
Cookie取得同意バナー。最適な形ってなんだろうと思いつつ。
Cookie取得同意バナーは、Cookieを使うサイトであれば表示するというのがトレンドのようですね。(個人的には嫌いだけど・・・)
そしてこの東京エレクトロンという会社もCookie取得同意バナーを下記のような形で表示しています。
結構シンプルな形ですね。
「同意する」「拒否する」があるわけでもなく。
「この表示を閉じてのサイト閲覧する場合、Cookieポリシーに同意したこととみなす。」ということになっています。閲覧者に選択の余地無し、というところです。
このCookie取得同意バナー。日本では思いのほか実装が進んでおらず、日本の上場企業の7%程度しか表示がされていないようです。個人的にはサードパーティCookieの取得をしているサイトなどでは出してあげてもいいかなぁ、くらい。Googleアナリティクスが設定されているサイトもすべて、ってなるのは望む状況ではないなぁと思っています。
ヘッダー部分の文字サイズ変更機能は最近利用頻度減少。
ヘッダー部分の文字サイズ変更UIは最近利用頻度が減少傾向にあると思います。 文字サイズの変更はブラウザの機能に委ねても良いかなと思っています。個人的には。 昔は小さーい文字がかっこいいとされてしまっていた時代もありましたが、最近は16ポイント以上の文字を標準にする風潮も一般的になってきましたし。
文字サイズ変更機能はぶっちゃけサイト内検索と並んで使われない機能の代表。
サイト内検索はもちろんECとかサイトの種類によっては使われていると思うけど、一般的なコーポレートサイトだと本当に使われない。Googleで「社名+キーワード」で検索した方が圧倒的に早いからですよね。多分。
コンテンツ名がわかりにくい。
正直横文字風のコンテンツ名がわかりにくい。 例えば下記のようなもの。
- About TEL(TELが東京エレクトロンの略であると認識されてないと「電話について?」という誤解を与えかねない)
- Nanotec Museum(一般知識なのか、具体的な会社の取り組みなのか、歴史博物館的なものなのか、タイトルだけでは認識できない)
- Telescope Magazine(読み物コンテンツなのだろう、という認識は出来るが、誰に向けたものなのか明確な方が読者も増えそう。)
- Creative Library(CMなどの紹介なのだけど、商品の紹介のようにも受け取れるので誤認されることもありそう。)
- Art Gallery(アーティストの発表の場とのことだが、それをこの会社がやる意図のようなものを認識できない)
もっとユーザーに端的に、そこにどのような情報が含まれているのか認識出来るものの方が良いと思う。
「記事コンテンツなどが豊富で読み応えがありそう。」と思う一方、「ここにはどういうコンテンツがあるのか?」「自分が興味を持てるものか?」という最初の興味のハードルを高くしてしまっているのではないかという懸念がある。
誰にでも分かるコンテンツラベルを付けるというのは重要だと思う。
それがSEO的な効果を狙うものならなおさら。 ページタイトルにその狙うキーワードを含めるだけでも集客効果は変わりそうと思う。
製品・サービスの紹介は、理解がある人向け?
製品・サービスの絞り込みUIは以下のような感じ。
シンプルにまとめられている印象はありつつ、次の2点が気になりました。
- 検索結果の全量がわからない。
- 「Hilights」という言葉に馴染みがなく、どういう視点で絞り込みがされるのか認識できない。(多分、おすすめ商品的な意味なのだとは思うが・・・)
製品・サービス個別商品紹介の前に、それが何なのかの紹介があるべきでは?
多分、toBのサイトで、特殊な商品を扱っているものだと思うので、見る人が見れば分かるものなのだとは思う。
ただ・・・
商品のカテゴリとして並ぶ、以下について、それが何をする機械なのか認識出来る人がこの日本にどれだけいるというのか甚だ疑問。
- コータ / デベロッパ
- エッチング
- サーフェスプレパレーション
- 成膜
- テストシステム
- ウェーハボンディング
- SiCエピタキシャル
- ガスクラスターイオンビーム
- FPD
「商品を幅広く認知してもらいたい。」 「顧客の裾野を広げたい。」
というニーズがあるのであれば以下のような疑問に答えてあげることは重要だと思う。
- 「コータ / デベロッパ」とは何なのか?
- それがあるとどういう良いことがあるのか?
- 東京エレクトロンという会社の商品の独自性はどこにあるのか?
- 導入の手順や価格はどうなのか?
- メンテナンスや導入後のサポートはどうなっているのか?
最近の制作文法に則ったサイト。ただコンテンツマーケティングの視点では課題を感じる。
今回は東京エレクトロンという会社のサイトを眺めてみました。 まとめて印象を言うと、 最近の制作文法に則ったよく出来たサイト。 ただコンテンツマーケティングの視点では課題を感じます、というところです。
若干情報の中身が閲覧者視点になりきれておらず、突き放された感を感じるところがある。 閲覧者にとって、このサイトを見ることで得られる情報価値、のようなものをもう少し見出しやコピーなどで補足してあげるとより見やすいサイトになるのではと感じました。