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スムーズなプロジェクト進行の条件。お伺いするのではなく、お伺いされる側になれ。

2023年04月01日 2023年04月04日

webサイト制作にプロデューサーとして携わっていて個人的に思っていること。

それは「お伺いするのではなく、お伺いされる側になれ。」ということです。

今回はなぜそう思うのかをサクッと話したい。

あるべき形は制作側から提示する。

webサイトのあるべき形の定義は、web制作会社側が行うべき。 そのあるべき形の定義は「設計」と呼ばれるべきものです。

それが定義できるかどうか、それが重要。

設計に至るまでの作業として

  • 調査
  • ヒアリング
  • 現状把握
  • 課題把握
  • 課題整理

などがあり、それを通して

  • 施策定義
  • 概要設計
  • 詳細設計

というステップに進む。

この課題把握から詳細設計までの流れの中で、制作側がお客さんをリードして「あるべき形」を定義できるかどうかがプロジェクトの成否を分けるポイント。

あるべき形の定義は大変。でも最初にそこを潰しておけば後が楽。

あるべき形の定義は大変です。

  • コンテンツマップの定義
  • 画面設計
  • 機能設計
  • クライアント情報の整理を踏まえたコンテンツ設計

などやるべきことは多いですから。

しかし、ここでお客さんのやりたいことを理解し、webサイトを利用するユーザーの課題解決に繋げられるあるべき形の定義をリードできれば、お客さんの制作側を見る目が、変わるはずです。

それは「業者さん」や「外注さん」というニュアンスとは全く異なります。

いわば「ブレイン」のようポジションで見てくれるようになります。

お伺いするのではなく、お伺いされる側になるべき。

「あるべき形」を定義できるかどうかがプロジェクトの成否を分けるポイントである。

そのシンプルな理由は、制作側が進行の主導を握れるからです。

お客さん側から制作側に

「こういう風にしたいのですが良いでしょうか?」と聞いてもらう関係性です。

制作側がお客さんに

「こちらでよろしいでしょうか?」「ご指示いただけますでしょうか?」

とお伺いを立てる関係性とは真逆です。制作側がこのお伺いを多用すると、パートナーとしての関係ではなく、明らかに制作側のポジションが下になります。前述の「業者さん」「外注さん」と呼ばれる制作会社としての関係です。

もちろん、大きいフェーズ単位で、最終的な決済者の承諾は取るのですが、提示物すべてに決済者確認が入るわけではありません。

お客さん側の担当者に「これでいいんだろうか」「一応上司に確認を取ったほうがいいだろうか」と不安にさせてはダメなんです。

「これがいい」「これでいい」と制作側が根拠を持って言い切ってあげることで、お客さん側は安心します。

本当にあるべき形を定義できるのか?そこは大事なところではありますが、頼りにされる関係が出来れば、許可・承諾をするのはお客さん側ではなく制作側に切り替わります。

「あるべき形としてはこうです」という正解を持っているのは制作側なわけですから。

言い切れば良いってものでもない。

勘違いしてはいけないことは、ただ言い切れば良いわけではない、ということです。

先程「パートナーとしての関係」と言いましたが、

  • 制作側が受託者
  • お客さん側が発注者

であるという関係を忘れてはいけません。

制作側はプロとして最善のものを提供する義務がありますし、その対価として、お金を支払ってもらうわけです。逆に言えば最善のものを提供出来ていないなら、パートナーとしての関係を保つことは難しくなるでしょう。

なので、お客さんにパートナーでありブレインとして認めてもらうために、プロジェクトの初期段階での関係構築が重要である、と言っているわけです。

最初にお伝えした

  • 調査
  • ヒアリング
  • 現状把握
  • 課題把握
  • 課題整理

を通して

  • 施策定義
  • 概要設計
  • 詳細設計

に繋げて、課題と施策と設計を連動させて提案すること、そこには納得感が求められます。 独りよがりの提案をしても「ほんまかいな」って疑いを持たれるだけです。

お伺いを立てられる関係ができれば、後は作っていくだけ。

お客さんから信頼されて、お伺いを立てられる関係ができ、あるべき形の定義ができればあとはその定義したものを実制作作業者に渡して作ってもらうだけです。

極論基本ディレクターはそれが出来上がるのは見守っていればいい。

進行管理は必要になりますが、こうなれば楽です。

ここでのディレクターの仕事は定義されたあるべき形に沿った成果物になっているかどうかをチェックすることです。

決してお客さんからの大量のフィードバックを対応したり、機能調整をしたり、差分反映に追われたり、社長のちゃぶ台返しに頭を悩ますことではありません。

ダメなプロジェクトは、ディレクターの負荷の曲線がプロジェクトの後半になればなるほど上がっていきます。そして公開直前にピークを迎えてしまうのです。

抽象的な話かもしれないが持つべき意識としては大事な話なのかなと。

今回はスムーズに進むプロジェクトの条件として「お伺いするのではなく、お伺いされる側になれ。」というテーマで思っていることをまとめてみました。

抽象的な話かもしれないし、実感を持ちにくい話かなとは思っていますが、たまに炎上気味の案件を見るたびに、今回お話したようなことを思ってしまうのですよね。 あるべき正解の形を定義剃る難しさはあるとしても、意識としては大事な話かなと思っています。