webディレクターのデザイン指示。衝突しないコミュニケーションを取る方法。
今回は、デザイナーから上がってきたデザインの質がよくない、でもどうやってそれを伝えたら良いかわからない、という人に向けて書きます。
webディレクターは、ページをデザインをするデザイナーから上がってきたデザインに対して、修正依頼することがあります。
その際、webディレクターの皆さんは、どのようにデザイナーとコミュニケーションを取っていますでしょうか。
建設的かつ、クオリティを高められるフィードバック方法ができていますでしょうか。
わたしは、webプロデューサーをしていますが、webディレクター時代、デザイナーとのそのようなやりとりを幾度となく経験をし、それなりに失敗してきました。
デザイナーとも衝突してきました。
そこには反省があります。
衝突は何も生み出さなかったです。
前に進めるためには、webディレクターとデザイナー双方が同じ方向を向いてことを進める必要があります。
衝突しないためには、どういう心構えで、デザイナーとコミュニケーションするか、というポイントでお話しします。
デザイナーへのフィードバック時には「視点をユーザーに」しよう。
今回の結論です。
上がってきたデザインについて、webディレクターが「良くない」と判断するのであれば、
「ユーザーにとって何が問題なのか。」をポイントにデザイナーと話をしましょう。
「私がこう思う。」ではなく、
「ユーザーにとって何が問題か。」
です。
「ユーザーにとって何が問題か。」をポイントにすべき理由は
個人の主観的な話になりにくいからです。
webディレクターはwebディレクターなりに思い入れを持って「設計」をし、
デザイナーはデザイナーなりに、思い入れを持って「デザイン」をしています。
そこのズレに対して、それぞれがそれぞれの立場から主観で話をしてしまうと、
「それ、あなた個人の感想ですよね。」
という衝突を引き起こします。
使いやすくしたい、分かりやすくしたい、という気持ちは双方同じはずなので、
視点は「それを使うユーザー」であるべきです。
「ユーザー視点でみると、ここ伝わりにくいよね。」
「ユーザー視点でみると、ここ繋がり弱いよね。」
「ユーザー視点でみると、ここ混乱してしまいそうだよね。」
それぞれに理由はつけるんだけども、あくまで視点はユーザーです。
「私」であってはいけません。
改めて設計意図を説明し、デザインに、赤字で書き込むなどして、「何が問題なのか」を伝えましょう。
具体的に指示したくなるのをぐっと抑えます。
繰り返しますが、「使うユーザーにとって問題が何か。」を伝えてあげるべきです。
ただ、その前提もあるので一応触れておきます。
前提1。ページデザイン作成の一般的な流れ
まず、前提として、webページデザインの作成フローについて整理しておきます。
- webディレクターが画面設計をする。
- webディレクターが設計意図をデザイナーに説明する。
- デザイナーがデザインツールでページデザインをする。
- webディレクターがチェックして、希望や修正依頼をする。
- webディレクターがクライアントにデザイン提出する。
このような流れを、想定します。
その中での修正依頼をする際のコミュニケーションをうまくやりたいよね、って話です。
前提2。スキルが低いデザイナーはいる。
デザインの質が低く、なかなか社内、そしてクライアントからOKがもらえないデザイナーはいます。
デザイナーも日々精進はしていますが、求められるスキルレベルが低いデザイナーです。
問題を挙げると下記のような点です。
- 案件理解が甘い
- 設計理解が甘い
- デザインとアートを勘違いしている
- デザインで自己表現をしようとしている(ユーザー目線で考えられていない)
- デザインツールの使い方に精通できていない
- デザインスピードが遅く試行錯誤できていない
書いていて苦しくなりますが、現実問題としてこういうデザイナーは多いです。
ただ、これを嘆いてもしょうがないのです。
そこは前提として考えることにしましょう。
前提3。webディレクターの依頼方法に問題があるケースも。
一方、webディレクター側に問題があることも多いです。(昔の自分に当てはまることも多いです。正直。)
デザイナーにデザインを依頼する際、webディレクターから必要な情報を伝え切れているでしょうか。
- デザインは何案必要か。
- どのページのデザインを作成するのか。
- PC画面のデザインか、スマホ画面のデザインか、両方のデザインか。
- このページの目的は何か。
- このページで伝えたいことの優先度はどうか。
- 素材はあるか。
- webサイトの主導線は定義出来ているか。1画面だけで検討を依頼していないか。
- リンクや、ボタンをクリック、タップするとどうなるか定義出来ているか。
「わからないならデザイナーから聞いてくれ。」
というのはある意味正解ですが、ちょっと乱暴かな、とも思います。
こういったことは、デザイン着手前に、デザイナーに伝えておくべきです。
伝えられていない情報がある場合は、素直に「ごめん」と言っておいた方がいいです。
信頼関係重要。
まとめ
今回のお話、ある意味普通に聞こえると思うのですが、意外と難しいです。
特にスキルの低いデザイナーに依頼する際、手っ取り早く出来る調整をして、クライアントに提示したくなってしまうものです。(webディレクターもそれなりにデザインに対する知見もあったりするので。)
でも、それを出してクライアントから戻ってくるお戻しは「そもそも」的な話が多かったりします。
「なぜこのデザインなのか?」を説明する上でも、趣意は重要です。そしてその趣意は、「ユーザーにとってどうか?」が大事なポイントです。
となると、そこを進めるwebディレクター、デザイナー双方が「ユーザーにとってどうか」という視点で同じ方向を向いているというのは重要だと思うのです。
webディレクターとデザイナーがデザインの調整をする際は、ユーザー視点で話をしましょう。