Webサイト制作リニューアル時の旧サイトデータの扱い。注意事項4選。
Webサイトリニューアルは全てを一新できるわけではない。
東京のWeb制作会社でプロデューサーをしています。
Webサイトリニューアルは、字面だけ見ると、Webサイトのすべてを一新するもの、というように見えますが実際はそうではありません。
旧サイトのデータの取扱いにはバリエーションがありますよ。
という話です。
具体的に、ケアすべきこと、気をつけておくべきこととしてはどのようなことがあるか、Webサイト制作に20年以上関わってきた私が紹介します。
それではいきましょう。全部で4つあります。
- リニューアル対象外のページをどうするか。
- どの程度手を加えるか。
- CMSで登録された記事をどの範囲で移行するか。
- 旧サイトを閲覧可能状態で残しておくかどうか。
1. リニューアル対象外のページをどうするか。
Webサイトリニューアルは、元サイトがあるわけですから、Web制作会社は、旧サイトの状態を確認します。
ただ、リニューアル対象となるページの確認だけでは不十分です。
リニューアル対象外のページをどう扱うのかを決めておく必要があります。
例えば・・・
- ランディングページ
- 特設サイト
- 何らかのツールやシステム
- 過去の更新の際に作られたであろうゴミファイル、バックアップファイル
こういう類のものですね。
リニューアル対象外と思って放置していたら、リニューアル直前になって新サーバにデータ移行を依頼されたりすることがあります。
データ削除する場合は、元々あったページが無くなるわけなので、ご案内ページを別で作りたいとか、リダイレクトをかけたいとか、そういう話にもなりがちですね。
2. どの程度手を加えるか。
リニューアル対象ページであってもどういう形でリニューアルするかはパターンがあります。
以下のようなパターンが考えられます。
- 全ページ最適化
- 新デザイン適用(画像パーツの作り替えあり)
- 新デザイン適用(画像パーツの作り替えなし)
- ヘッダー・フッターのみSSIやCMSのテンプレートで差し替え
- 単純コピー(手を触れない)
リニューアルというと「全ページ最適な形に変更する」というイメージを持たれるかもしれませんが、なかには、デザインだけ変えたい、中身は変えたくない、というケースだってあります。そこは要件定義の段階ですりあわせをしておくことをお勧めします。
3. CMSで登録された記事をどの範囲で移行するか。
これもよくある話です。
Webサイトのリニューアルの場合、CMSで登録された記事が膨大に存在することがあります。
- 「ニュース」の扱い
- 「重要なお知らせ」の扱い
- 「イベント・セミナー情報」の扱い
- 「オウンドメディア記事」の扱い
「ニュース」の扱い
そもそも、そのニュース記事は10年前のものも移行が必要なのでしょうか?
そういう確認は必要だと思います。
移行範囲の定義として
- 最新年のみ
- 過去数年
- 全部
こういったパターンが考えられます。
現実的には、過去3年間分、くらいで落ち着くことが多いように感じます。
移行の分量が多くなればなるほど、そこに掛かる制作時間とコストは膨れるわけですからね。
また「リンク切れのメンテナンス有無」も注意が必要です。
サイトから外部へのリンクについては、外部のサイト次第の状況を都度追えるわけではないので、手を入れないことが普通です。
しかし、サイトリニューアルにあわせて、自身のサイトのページのURLが変更になる場合、そのリンクはメンテナンスしてほしいとリクエストされることがたまにあります。
そういう過去のニュース記事から自社サイトのサービスや会社案内ページにリンクが貼られている場合、そのリンク切れを無視するのかメンテナンスするのか、ということは予め決めておくことをお勧めします。
「重要なお知らせ」の扱い
重要なお知らせという分類の記事は、そのタイミングで重要なものであって、永続的に重要なわけではありません。
場合によっては、過去のものは削除しましょう、という提案も全然アリだと思います。
「イベント・セミナー情報」の扱い
BtoBのサイトではイベント・セミナーというページが存在することが多いです。
これも先ほどのニュースの扱いと同様、過去のイベント情報をどの程度残しておく必要があるかは確認しておいた方が良いですね。単純な開催案内レベルの情報の場合、残しておく意義がなさそうなものもあったりします。
「オウンドメディア記事」の扱い
最近は企業のコーポレートサイトでナレッジブログ的なオウンドメディア展開されている会社も増えてきています。これらは価値のある情報であれば、集客に寄与するものなのですべて移行したい、と希望されることが多いです。
4. 旧サイトを閲覧可能状態で残しておくかどうか。
リニューアル前のデータの保管についてです。
特に無視しておいて良いのか、今後どこかのタイミングで、過去のページ状態を確認するために残しておいてほしいというリクエストがあるかもしれません。
その場合、旧サイトを確認できる環境を別で準備しておく、ということも考えられます。
まとめ
今回は、Webサイトリニューアル時の旧サイトのデータの取り扱いに関する注意事項を整理してみました。
旧サイトのデータの扱いをふわっと定義していると、プロジェクトの後半になって、「これどうすんだっけ?」というような状況を引き起こしかねません。
なので、初期段階の要件定義時に、旧サイトの情報をどのように取り扱うのかはクライアントとWeb制作会社双方で確実に認識あわせをしておくことをお勧めします。
参考になると幸いです。